オススメの本 『島はぼくらと』 -作:辻村深月
2014年12月6日
カテゴリ:スタッフの趣味イロイロ
アルピンには本好きがたくさんいまして、皆で文庫本を回覧したり、
図書館のように本棚から自由に閲覧できるようにしています。
一つの作品を通して、共通の認識を持ったり、違う意見を持ったりと
仕事以外で感じたことを話す大事な場になっています。
今日は私 幡谷が少し前に読んだ作品をオススメしたいと思います。
それは『島はぼくらと』という作品です。
作者は、辻村深月さん。
とても好きな作家さんの一人で、人の心の奥の奥にある心情を描いています。
人の心を玉ねぎに例えるならば、何枚も何枚も皮をめくり、
その中にある芯の部分を描いている作家さんだと思います。
読み進んでいくと、自分の心を裸にされたような感じになりますが、
自分自身の心が見えてくるなど、新しい発見もあり楽しいです。
この作品は、瀬戸内海の島が舞台となっています。
これまでの作品はどちらかというと、地方で暮らす窮屈な感情などが鮮明に描かれていました。
都会への劣等感、やりたいこと、言いたいことが言えない抑圧された感情など。
しかし、今回は島で生きる人たちを、4人の高校生を通して
すがすがしく描いています。一言で表現すると「青春」です。
躍動感、前を向く力強さをこの1冊から感じることができました。
青春の眩い光が瀬戸内の海と重なり、より一層作品がキラキラと光っています。
<ホームページより>
4人の高校生が島で暮らしながら、自分のやりたいことを考え、
そして島のことを考える。とてもいいお話でした。
今後もオススメの本をご紹介できればと思います。
H.Hataya