春の食材と母の味
もう初夏を迎えようとしていますが、暖かい日がやってきたと思いきやまた寒い日に逆戻り、
また日中は暖かくても朝晩が寒くて毎日何を着たら良いか迷う、毎年のこの季節。
花粉にも悩まされる須田です。
さて、春から今時期になると香り高く苦い食材が出回りますね。
「春には苦味を盛れ」ということわざがあるのをご存知でしたか?
その理由は諸説ありますが、春の味覚である春野菜には「苦み」があり、
その苦み成分には、カラダを活性化させるさまざまな働きがあるからだそうです。
思いつく苦味のある旬の春野菜といえば、
たらの芽、ふきのとう、ウド、菜の花、筍、フキ、などでしょうか。
四季のある日本では、旬のものを食べることは一番の贅沢。
スーパーに行ってこういう食材が並んでいるのを見るとワクワクしてしまいます。
早速今が旬の筍ご飯を作りました。
しかし、何か違うんですよね。美味しくないわけじゃないのに
自分でイメージしていた味じゃない…。(かなりがっかり)
その日以来、リベンジすべく何が悪かったのか思案の中、
ここ数年、料理をすることどころか食べることもままならい、今では寝たきりの状態の母を見舞った今週のことです。
ふと思い出しました、母の味。
今では、たらの芽やふきのとうを自分で買って食べることはありませんが、
昔はこういう食材が季節になると食卓に並んでいました。
ふき味噌やきゃらぶき♪
その頃は苦いのが先で、美味しいと思ったかどうか?ただ何十年経った今でも懐かしい味は覚えています。
でも、今あの時の「母のあれ」が食べたい!と思っても叶わないんですよね。
私の筍ご飯の何がどう違ったのか、それは昔食べて覚えた母の味ではないんだなぁと気づき、
もう食べられないのかとあらためて思うと、センチメンタルな気分になりました。
もう二度と母の味を口にすることができないならば、
私がいつか「あの味」を再現できるよう探求しようと思います。
E.Suda